ギター耳コピ・番外編「音色」

番外編「音色」

※本編は生音ではなく、アンプの使用を前提とした内容です

ここでは楽曲の耳コピから少し方向を変えて、
「音色」の耳コピを行うための考え方についてお話を進めます。

憧れのギタリストの奏でるサウンドを自分のモノにするために。
「自分のサウンド」を追求し確立するために。
このコンテンツで「ギターの音色」のヒントを掴んでもらえると嬉しいです。

「耳コピ習得メニュー」でも再三触れてきました「音を聴く」ということの重要性、
これは耳コピの対象が「音程」でも「音色」でも変わりありません。
ただ、「音色」の耳コピには、「音程」の耳コピとの大きな違いが一つあります。

それは、あなたが以前「その音色を扱ったことがあるかどうか?」です。

あるギターの音を聴いた時、
その音がどのようにして構成されているのか?
(どんなギター?どんなアンプ?どんなエフェクト?)
を、頭の中でイメージし、尚且つ再現するためには、
その音を以前から知っていて、扱える人でなければ、同じ音は出せません。

誰にも、憧れのギタリストが一人はいて、
「こんな音で弾きたい」「同じ音を出したい」
そう思った事があるはずです。
憧れのミュージシャンの使っている、
同じモデルのギターやエフェクターなどを揃えてみたけれど、
期待していた音とは何かが違った…。
もしかすると、これを読んでくださっているあなたも、
同じような経験をしたことがあるかもしれません。

同じ音にならないのは、どうしてなのでしょうか?

その理由は大抵の場合、ギターの音を構成している、
各要素への理解が少し足りないことが原因です。
そして、その不足している理解を補うべき一番のポイントこそが、
ギターでも、エフェクターでもなく、「アンプの音」なのです。

エレキギターの場合、「音」を決める2大要素は
1.ギターの音 2.アンプの音の2つです。
もちろん他にも「弾き方」や「エフェクター」「録音環境」といった、
音を決める重要なポイントは多々ありますが、
音色のベースとなるポイントは、やはり「ギターの音」と「アンプの音」、
そして、その割合の多くを占めているのが「アンプの音」のほうなのです。
エフェクトはあくまでも補足的な要素と今はお考えください。

1.「ギターの音」

ギターの音

テレキャスターやストラトキャスターのような
スタンダードなギターを例にとってみても、
年代によっても全くキャラクターが違ってきますし、
同じ型番のモデルでも、個体により音のニュアンスは様々です。
そのうえ、ピックアップはシングル仕様か?ハムバッカー仕様か?
ボディ材は?ネック材は?指板は?使用弦は?配線材は?…等々、
突き詰めればキリがないほど、音を構成する要因は数多くあり、
音色というものは厳密には一本ずつ異なるわけです。

そのため、ギター初心者はもとより、
よほど多くのギターを弾き込んで来た耳の肥えた猛者を相手にしても、
曲を一度聞いただけで「そのギターの種類をピッタリ当てなさい」、
という問いかけはかなりの難問になります。

逆に、これがもし「そのアンプの種類をピッタリ当てなさい」
だとしたらどうでしょうか?
実は、こっちの方がずっと簡単に答えが出せるのです。

この後に説明する「アンプの音」こそ、
ギターの音色を決定づける上でとても大きな要素であり、
音色の耳コピを行う上でも、最大の材料となります。

なので、1.の「ギターの音」に関しては、あまり今は深入りせずに、
「いずれギターの種類がなんとなくわかるようになればOK」
くらいに留めておいてもらって構いません。
まず、2.の「アンプの音」への理解を深めること。
これが音色を操るための一番の近道となる、という認識を持ってください。

2.「アンプの音」

アンプの音

エレキギターというものは、どんな種類であっても、
アンプに繋いではじめて、その本来の音を出せるわけですが、
例えば、手元に2種類のギター(テレキャスターとストラトキャスター)
があるとして、その2本のギターの音を比較し、
音のキャラクターの違いを確かめてみるとします。
その場合、当然なにか一台アンプに繋いで比較をすることになりますが、

ここでまず「その一台」のアンプをどう選ぶのか?

という問題が出てきます。

※ここでは、スタジオで音を出す時や、楽器店で試奏する時など、
2台以上のアンプの選択肢がある、という場合を前提に進めます。

あなたは「何を基準」に、その1台のアンプを選びますか?

この答え=「基準」を持つことが、
「音を知っている人ほど有利」
「音を頭の中でイメージできる耳や引き出し」
という話へと繋がっていきます。

私も未だ、耳コピをしている中で、
「どんなギターで弾かれているのかわからないな…」
というような曲はたくさんありますが、
「アンプはFenderのTwin Reverbに違いない」
と、アンプの音が真っ先にわかるパターンの方がずっと多くあります。
それほど、ギターよりアンプのキャラクターの方が特徴的でわかりやすいのです。

なので「ギターの音」より先に「アンプの音」を聴ける耳、
この力を養う事が、音作りにおいて非常に有利になる、というわけです。

もしも今、あなたが、
「アンプ = ギターの音をただ出力しているもの」
という認識であるならば、少しその考え方を見直してみてください。
「アンプでギターの音を出力する」という認識は間違いではないのですが、
「ギターを使って、そのアンプを鳴らしている」という認識の方が、
音色を理解して行く上ではわかりやすい考え方だと思います。

アンプの音を自分のモノにする近道

POD

本来なら「現物のアンプをどんどん弾いて試すこと」、
これこそが一番の方法に違いありませんが、
よほどお金と時間に余裕のある方を除いては、
なかなか現実的ではありません。

そこで、多種のアンプの音を手軽にテストできるツールとして、
様々なアンプの音がモデリングされたアンプシュミレーターを利用します。

シュミレーターの音は疑似的に再現されたアンプの音ですが、
その完成度は高く、実際に数あるメーカーのアンプの音を忠実に再現しています。
また、多くの有名エフェクター音までモデリングされているので、
音作りから日々の練習まで、とっても重宝します。

アンプシミュレーター

pod

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zoom

ZOOM / アンプシミュレーター

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「スタンダードなアンプ」の考え方

次に、数多く存在するアンプの種類ですが、
「どこから手を付けていけば良いか?」を決める考え方について、です。

ギターにもアンプにも、音色には「基準」というものがありません。
あるのは世界基準の「音程」だけです。
では何をもって音色から基準をみなすのか?というと、
大半のスタジオ・ライブハウスに置かれているアンプ」を基準として考えます。

ほとんどの練習スタジオに常備されているアンプである
多くのライブハウスで採用されているアンプである

この条件を備えたアンプ=スタンダードなアンプといえる。
こう考えると、とてもシンプルです。

その条件を満たすアンプが(画像左から)

amp

・Fender(フェンダー)Twin Reverb、Deluxe Reverb等
・Marshall(マーシャル)JCM-800等

この2社のアンプ(モデル)です。
多くの人が、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

これらアンプの音・特性を自分のモノにすれば、
いずれその音を基準として、他のアンプの特性も理解しやすくなります。
この2種の音で弾かれた曲は洋楽・邦楽問わず大変多く存在しますし、
また、大抵のスタジオ・ライブハウスでの演奏時にも、
「常に自分の音を出せるギタリスト」として優位に立てます。

まずは、この2種類のアンプの音でたくさん弾いてみてください。
もし、憧れのギタリストの使用アンプがわかっていて、
その楽曲をコピーをしている人であれば、
そのアンプも加えて、4種類で弾き比べてみてください。
アンプはメーカーごとに、その色の特色というものがあります。
「fender系の音」「Marshall系の音」「VOX系の音」という風に、
弾いているうちにその特色がわかるようになり、楽しめるようになります。

「こうすればこんな音に変わるんだ」というイメージが持てるまで、
セッティング(トーン、歪み、リバーヴ等)もどんどん変えて、
「どんな音が出るのか?」を積極的に試してみてください。

使った事があるからこそ、その音を知り、操ることができるのですから。

一度知ってしまえば、その音はあなたの中で大きな「判断材料」となり、
「この曲はFender系のアンプで弾いているな」
「この音ならスタジオのMarshallで出せそうだ」等、
イメージする音色が具体的に見えてくるので、
出したい音が理想通りに、明確に出せるようになっていくはずです。

このコンテンツがあなたの音色作りのヒントになってくれれば幸いです。

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